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ICD-11,睡眠・覚醒障害(Sleep-wake Disorders)

現代社会におけるストレス,情報過多,そして経済情勢のグローバル化などの影響により,多くの人が慢性的な睡眠不足に陥っています。睡眠不足が持続すると不眠に進展する可能性があります。不眠は,心身の健康や社会生活に悪影響を及ぼすことが報告されており,国民の生活の質(QOL)の向上と健康な社会生活を送るためには,早期発見・早期治療は極めて重要とされています。

世界保健機構(WHO)は,2019年に国際疾病分類の改訂を行い,ICD-10からICD-11への移行が行われました。この改訂に伴い,2022年1月に「第7章」として「睡眠・覚醒障害」(07 Sleep-wake disorders)が新たに設けられました。これにより,以前は内科・精神科・神経科などの様々な分野で分散していた睡眠障害の記述が統合され,睡眠医療の重要性が注目されていることがわかります。

第7章「睡眠・覚醒障害」では,6つのグループに分類されていますが,最も頻度が高いのが「不眠障害 (Sleep-wake disorders)」です。

不眠障害の診断は,不眠症状に加えて日中の生活機能障害の存在が必要とされています。ICD-11では「不眠障害は,十分な睡眠の機会と環境があるにもかかわらず,睡眠の開始,持続,定着,または質の持続的な困難を訴え,その結果,日中に何らかの障害をきたすことが特徴である。日中の症状には通常,疲労,抑うつ気分またはイライラ,全身倦怠感,認知障害が含まれる。日中の生活機能障害がないのに睡眠に関連する症状を訴える人は,不眠障害とはみなされない。」と述べています。また,不眠症状の定義も変更され,入眠困難,睡眠維持困難,早朝覚醒の3つを不眠症状としています。

慢性的な不眠症の主な原因は,ストレスとされています。IT化の急速な進展によるスマートフォンやパソコンの長時間使用,SNSの利用,そして経済情勢のグローバル化などが,ストレスや眼精疲労の一因と考えられます。さらに高齢期には様々なストレスが生じます。社会的役割の喪失(離職や引退),配偶者の死別などの生活環境の変化,健康上の問題,家計や経済的な問題がストレスとなり,意欲低下や生きがいの減少,主観的well-beingの低下につながります。また,交代勤務(シフトワーク)や時差も,不眠の要因となります。一方,身体的な疾患では,特に疼痛やかゆみを伴う疾患では不眠が起こりやすく,さらに,環境の変化や人間関係など,日常生活や仕事でのストレスが心理的な要因として関連付けられています。

不眠症に対しては睡眠薬による治療が一般的に行われていますが,副作用による転倒や骨折のリスク(高齢者),依存や乱用を防止するために,高用量投与や長期間の使用を避ける方向へと進んでいます。

一方,非薬物療法は治療効果の持続性が高いことが明らかにされており,睡眠衛生指導や認知行動療法は重要な選択肢として強く推奨されています。米国内科学会(Qaseem et al., 2016),欧州睡眠学会(Riemann, et al., 2017)では,不眠障害の治療ガイドラインで,CBT-Iが第一選択として推奨されています。日本では,薬物治療が無効もしくは部分寛解の場合,あるいは休薬する際の併用療法としてCBT-Iの実施を推奨しています(三島,2014)。

1. 唾液コルチゾール濃度の低下と分泌型免疫グロブリンA(sIgA)濃度の上昇

 

ヒトの唾液には,様々なストレス関連物質が存在しています。唾液中のコルチゾール濃度や分泌型IgAの濃度は,血中の濃度と相関していることから,ストレスや疲労状態の検査には唾液がよく用いられています。
慢性ストレスを受けると,そのストレスに対応するために,副腎のHPA軸が活性化して,ストレスホルモンであるコルチゾール分泌量は増加します。一方,慢性ストレス下では,分泌型IgA濃度は低下します。本研究では,頭皮マッサージ療法により,唾液中のコルチゾール濃度は低下し,分泌型IgA濃度が上昇することが示されました。したがって,本療法は,ストレスや疲労の軽減に影響を与えることが示唆されています。
1, 2)
 

  1. Kunio Shimada , Mamoru Tsuchida , Hideo Ohnishi , Hiroko Nakano, Shun-ichi Daito: Effects of Scalp Massage on Physiological and Psychological Indices. J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn, 47(3), 202-208. 2013.
  2. Tetsuya Mannari, et al: Effects of Basic Massage Techniques in Head Spa on Mind and Body. J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn. 52(3): 187-196, 2018.

 
 

2. 覚醒度・集中力・リラックス度の向上,身体的疲労の軽減
 

Visual Analogue Scale(VAS)を用いた心理的評価では,施術前後における「覚醒度(Degree of wakefulness)」,「感情(Sentiment)」,「身体的疲労(Physical fatigue)」,そして「リラックス度(Degree of relaxation)」で有意な差がみられたと報告されています。したがって,頭皮マッサージは,ストレス緩和や快適性の向上に影響を与えることが示唆されています。
 

  1. Kunio Shimada , Mamoru Tsuchida , Hideo Ohnishi , Hiroko Nakano, Shun-ichi Daito: Effects of Scalp Massage on Physiological and Psychological Indices. Soc. Cosmet. Chem. Jpn, 47(3), 202-208. 2013.
  2. Tetsuya Mannari, et al: Effects of Basic Massage Techniques in Head Spa on Mind and Body. Soc. Cosmet. Chem. Jpn. 52(3): 187-196, 2018.

 
 

3. 入眠時間の短縮とノンレム睡眠時間の増加
 

30~55歳の女性20名を対象として,就寝前の入浴時の頭皮マッサージの効果を調査した結果,ベッドに入ってからの入眠時間が約20%短縮されました。さらに,ノンレム睡眠の最も深い睡眠ステージであるステージ3と4の合計時間が,頭皮マッサージを行わない場合と比較して26%増加していました。したがって,頭皮マッサージによって,入眠時間の短縮とノンレム睡眠時間が増加することが示唆されています1)
 

  1. Head Massages Before Bed Improve Sleep Quality.

    https://www.mandom.co.jp/en/release/pdf/2016031401_en.pdf

 
 
以上の研究結果から,頭皮マッサージは,ストレスの緩和,自律神経系の安定,そして睡眠の質の向上に良い影響を与える可能性が示唆されています。

 

現代社会におけるストレスは人々に慢性的な睡眠不足をもたらします。その一方で,ストレスは自律神経のバランスを乱し,交感神経を優位にさせるため,唾液の分泌量は減少する傾向にあります。
 
唾液分泌は自律神経によって調節されています。ストレスを感じて緊張した状態では交感神経が優位になり,唾液の分泌量は減少し,粘性の高いネバネバした唾液が分泌されるようになります。一方,リラックスした環境においては,唾液の分泌量が増え,サラサラとした漿液性唾液が多く分泌されるようになります。
 
ドライヘッドスパは,自律神経系を安定させ,リラクゼーション効果を高めることが期待できるため,口腔乾燥(ドライマウス)に関連する口腔の問題に対して有用性が高いことが示唆されており,歯科医学における新たな研究分野として期待されています。
 
歯科医師が,お客様の口腔や全身の状態,服用薬剤等を考慮し,適切なアドバイスをさせていただきます。
 

歯科医師によるカウンセリング
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at serene oasis AYA, located on the western edge of Tsudakadai, Okayama city.
 
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